10/08/2011

天遊組展の初日は、秋晴れでした。

Tenyougumi_01

天王寺の上善堂入口は、文字の変遷のナガーイ巻物がお迎えします。
組員が真剣に何ヶ月も書き込んだ臨書の巻紙作品です。
古代文字(甲骨・金文)から、隷書、木簡と、並びます。
図から漢字へ、どんどん変わっていくのが分かります。

でもただの臨書と、素通りしないであげてください。
実は大変な苦労が隠されているんです。
長さは4m以上あるのですが、途中で止まるとリズムが崩れる、と
組長が指摘するので、一気に書き上げなければなりません。
でも、そんな大邸宅に住んでいる組員はほとんど皆無なので、、、

リビングを超え、廊下を伝って玄関の先まで紙をのばして
家族のひんしゅくをかった人

ベランダから下の階に向け、紙を垂らして乾かしながら書いた人、

夢中になって、8m以上書き続け、家中巻紙だらけになってしまった人、などなど、
皆それぞれの奮闘ぶりが隠されています。

初日は下をくるくる巻き込んで展示していたのですが、
面白いもので、隠されると、人はそこを見たくなるらしく、
巻紙を引っ張って鑑賞している人たちが何人もいました。

なので二日目の今日は、全部伸ばします。
8mの作品は、きっとお堂から離れた社務所まで届いてしまうかもしれません。
でもせっかくの作品ですから、広げましょう。

さぁ、じっくり鑑賞したら、いよいよ本堂の中です。
震災をテーマにした、メッセージ性の強い作品が並んでします。
初日いらした方のなかには、思わず涙ぐまれた方もいらっしゃいました。
作品によって何かが呼び起こされたのでしょうか。。。

ある方は東北の出身でした。
ある方はお友達が被災していました。
ある方はボランティアに行った時の惨状を思い出されました。
多くの方たちが 何かしらの形で東北と関わっていたことに、
驚かされました。

二日目の今日は、どんな出会いが待っているのでしょう。
アートに何ができるのか、気づきの一日になりますように。。。