11/12/2012

香りを、聞く。traditional incense-smelling ceremony

未体験ゾーンだった「香道」をたしなんできました。

In kodo, sniffing of the incense is expressed as ‘listening’ to the incense,
and as such,
it is called monko ( 聞香)
It began with the manners of the samurai community established in the Muromachi period
and developed during the Edo period.
Unlike perfume,
it is a faint fragrance.
One enjoys the scent of incense rising from the koro (incense burner) held inside their palms.

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香りを聞く、という表現がどういうことかわからなかったのですが、
体験して納得。
香水や線香などの強い香りと違い、
あまりにも仄かで、澄んでいる。
香炉に手を当て、3回聞くのですが、
目をつぶり、繊細な気配を感じ取ろうと、しぜん、深い呼吸になりました。

香りの向こうの世界を、聞く。

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正にそんな気分。
香木の香気は化学合成品と違い、精神的な落ち着きや、病気の予防のような
漢方薬的な効用もあるとか。

室町時代、東山文化の足利義政を取り巻く貴族、武士の階級で、
華道、茶道、とともに、「三道」として体系化されたもの。
世界中を見ても「香り」を芸術にまで昇華させ、精神性を追求する芸道はなく、
まさに精神的に落ち着き、円満な人格を形成するのに役立つ、
日本古来の世界でした。
こういうものが、日本人の「凛として、気配を察する」精神文化をつくってきたのかと、
おもったのでした。

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香木は天然のもので、数千年の時間をかけてできた埋もれ木。
資源に限りある貴重なものなのです。