能は、死んだ幽霊が主役だということを、初めて知った。
だから、すすすーーーっと、すり足で動く。
そして面は、右の顔が「悲」、左の顔が「喜」になっている。
あまりにも知らないことが多くて、ほんとに情けなかった。
フランスの友人に誘われて参加した「能舞メディテーション」。
呼吸法から、瞑想、ストレッチ、発生、謳い、舞いと、
能の基本を体験させてもらった。
とにかく先生が、すごい。
「金剛流シテ方能楽師」の宇高通成氏。
重要無形文化財総合指定保特者という大変なお方なのだが、
能の普及のために、懇切丁寧に教えて下さる。
まずは、呼吸法から入る瞑想。
スーッと吸った空気を喉に当て、次は胃の府にあて、とどんどん下がり、最後は足の親指に行って、背中側を通って、頭に帰る。全部で9つのポイントに呼吸を当てながら一周。
指に呼吸を当てられるようになるには、時間が掛かりそうな。。。
とにかく、非常に深くて、そして、面白い。
神と、宇宙とつながっている。
「扇子の上には神さんが座っていると思って、振らんように前に出してごらんなさい」
へぇ〜、ほ〜、の連続のあっという間の2時間。
最後に面をつけて歩かせていただく。
一気に視界が狭くなる。足元も見えず、バタバタしてしまった。
能舞台の三本柱は、位置を確認するためのものなんだと、初めて分かった。
手取り足取り、申し訳ないほど面倒を見ていただいてしまった。
こんなすばらしいワークショップなのに、参加者はたった6人。
感謝。またいきます。
>> 宇高通成氏 Homepage